終末期にリハは必要?

皆さま、こんばんは。


立て続けに私の本業である
リハ関連の小噺で恐縮です。



全く面白味がない噺なので

少しだけご興味のある方は

お時間ください。




𝕏で終末期の患者さんに

リハビリテーションが必要かどうか?


を問うような理学療法士さんの

ポストをチラ見しました。



結論から言って、
それは必要で

あり愚問です。



全ての終末期の患者さんに
必要かと問われるならば
それは違うかもしれません。


なぜなら、
執拗いようで申し訳ありませんが
リハビリテーションは

その人らしさを取り戻すこと

だからです。


終末期において
その人らしさとは何だ?
と思われる方もおられるでしょう。


この問に
リハ医である
茨城県では有名な
大田仁史先生は
終末期リハビリテーションを

『加齢や障がいのため
自立ができず、
自分の力で身の保全を
なしえない人々に対して、
最後まで人間らしくあるように
医療・看護・介護とともに行う
リハビリテーション活動』

と定義されています。


この定義では
人間らしくあるように
とありますが
その人らしさと
読み替えることも
できると思います。



まず終末期という定義も

説明が必要かもしれません.



病期には

急性期

回復期

生活期

そして,

終末期(ターミナル期)

があります。



病期で区切るというのも

どうかとは思いますが

あるんだから仕方がありません。



急性期や回復期

といった場合は

否応なしに

年齢問わず

リハビリテーションが

必要ということは

誰もが認める

ところではないでしょうか?



では,

終末期に

リハビリテーションは

必要ないと思いますか?



終末期というと

読んで字の如く

人生の最期という

イメージではないでしょうか。



ターミナル期というと

末期のがん患者さんが

主な患者さんになるでしょう。



この末期のがん患者さんに

リハビリテーションが

必要かどうかを

問うようなポストだった訳です。



そのリハビリテーションの

内容というのが

所謂,筋トレや呼吸リハ等の

機能訓練全般を指して

リハビリテーションという

括りにしていたポストでした。



まず,前記したように

リハビリテーションは

機能訓練を指すものではありません。



リハビリテーションという枠の中に

理学療法や言語聴覚療法

および作業療法がある訳です。



それぞれの役割の中で

その患者さんに必要な

セラピーを行う

それが,

リハビリテーションです。



また,リハビリテーションは

理学療法だけでもなく

言語聴覚療法でもなく

作業療法だけでも

ないことは承知の

ことだと思います。




QOD(quality of death)を考えた場合

終末期の患者さんだからといって

リハビリテーションは

不必要だとは全く思えません。



むしろリハビリテーションは

すべきだと私は思います。



その人らしさを取り戻すことが

リハビリテーションであるならば

その人らしい「死」を迎える

準備をすることも

リハビリテーションに

なるのではないかと考えます。



終末期の方に筋トレが

必要かと問われれば

その患者さんによっては

必要かと思います。



病院のベッドで

ただ横になって

死んでいくなんて

その人らしくないと思う方も

いるでしょう。



それじゃ,

少しでも

身体を動かして

離床できるような

身体機能を維持しておこうと

考えるかもしれません。



それに,

リハビリテーションは

機能訓練だけでなく

ADL練習もあるし

趣味活動を行う

練習だってあります。



その人がやりたいと思うことを

実現していくのも

リハビリテーションです。



全てのことを実現することは

不可能かもしれません。



それでも,

人生の最後を迎えるのに

ただ何もせず

死を待つだけの終末期というのは

とてつもなく切ないんじゃないかと…



一つでも良いから

その人らしい作業(経験)をして

最期の時を迎えることが

良いのではないでしょうか。




当たり前ですが

終末期はただ単に

末期がん患者さんだけ

のことではありません。



難病の方でもそうですし

高齢者の方でも同様です。



私は作業療法学科の学生だった頃

お師匠様に自分は作業療法士になったら

ターミナル期に関わりたいと

話したことがありました。



師匠からは

私にはそんなことは無理。

何をしていいか分からないから。



と返答されたことを

覚えております。



様々な臨床を経験している

師匠でもターミナル期のか方々と

関わるのは苦手だということに

少し驚いたと同時に

そんなにターミナル期は

難しいのかと考えたことを

記憶しています。



実際に作業療法士になってから

末期がん患者さんと

関わることは殆どなく

ALSの患者さんや

ご高齢の方と関わることが

殆どであり

今も後期高齢者の方々と

関わることが

多い状況になっています。



高齢者の方々は

終末期といえば

終末期といっても

過言ではないでしょう。



80代,90代といった方々が

多いので死に対する話は

割と多くしています。



そのような死に関する話もしつつ

より良い経験をしてもらうために

日々,リハビリテーションしている

訳です。




師匠が何をしていいか分からない

ということも分かります。



そして,今回の𝕏のポストをした

理学療法士さんの必要かどうか

ということを問いたい気持ちも

なんとなく理解できます。



けれども,

どのような患者さんなり

利用者さんであっても

リハビリテーションは

必要なんじゃないかと

私は思います。



生き様が死に様と申します。



生きてきたようにしか

死ねないのであれば

その引き際だとしても

その人らしく

最期を迎える方が

いいんじゃないか

と思う次第です。



そのためには

リハビリテーションが

一つの選択肢として

あるべきなんじゃないか

と一作業療法士は思います。



一作業療法士として

クライエントの

生と死を支えられるようになるまで

精進しかないと

再び思わせてくれました。




いつものように

まとまりのない噺で

申し訳ありませんでした。



読んでいただいた方々は

終末期のリハビリテーションについて

どのように考えますか?



本日も最後まで

お付き合いいただき

ありがとうございました。



LIFE reDESIGN

誰もが「死ぬ瞬間」までより良い経験(作業)ができるよう地域の方々と協働・協創します!

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